His Words and Legacy
後藤健二の死から10年以上の時が流れました。
かつて彼がイラクからの脱出を命がけで支援した通訳の女性、ディーナ。彼女はいま、フランスの地で家族と共に平穏な日々を送っています。
「ケンジのような人に出会えて幸せだった。
彼は天国から私たちを支え続けてくれている」
一つの命を救った彼の行動は、その後の世代へと確実に受け継がれています。彼女の子供たちの笑顔の中に、彼の優しさは生き続けているのです。
Photo: AI Image
シリアのアサド政権崩壊、ウクライナでの争乱、そしてガザでの悲劇。
世界はいまも、暴力と報復の連鎖の中にあります。
「憎しみ」に「憎しみ」で返すのか。それとも、そこで立ち止まるのか。
彼が遺した問いかけは、現代を生きる私たち一人ひとりの心に、より切実に響いています。
2015年、世界中で広がった「I AM KENJI」運動。言葉も宗教も国境も超えて、人々は「暴力への不同意」と「平和への希求」で繋がりました。分断が進む今こそ、あの時の静かな連帯を思い出す必要があります。
2015年2月1日。悲しい知らせが世界を駆け巡りました。しかし、私たちはこの日を単なる後藤さんの「命日」とは呼びません。彼の蒔いた種が芽吹き、私たちの心の中で彼の意志を再確認し、次へと繋ぐ「継承する日」なのです。