Who He Was

「取材者」である前に、
ひとりの「友人」として

「怖がらなくていい、僕はお前の友達だ」

2003年6月、イラク・ティクリート。カメラを向けられ、恐怖と怒りの入り混じった目をする少年に、彼は静かに語りかけました。
"I'm your friend."

彼は常に「名もなき人々」の目線に立ち続けました。ジャーナリストとして特ダネを追うのではなく、そこで暮らす人々の息遣いを伝えること。それが彼の流儀でした。

葛藤と祈り

かつてリベリアの内戦を取材した際、ブルドーザーで遺体が無造作に埋められる光景を目撃し、彼は深く傷つきました。重いPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみながらも、彼は自問し続けました。「伝えること」にどんな意味があるのか。その答えを探すように、彼はまた戦地へと足を運びました。

A PROMISE KEPT

証言:イラク人通訳 ディーナとの絆

━ケンジは私に言いました。
『君は勇敢な女性だ。必ずできる。心配しないで、僕がついてる』

映画「後藤健二・未来からのメッセージ」より —
彼は取材協力者を単なる「現地スタッフ」として扱いませんでした。命の危険に晒された彼女が亡命を希望した際、彼はパリまで駆けつけ、彼女の新しい人生の扉が開くまで支援を続けました。それは、取材者と対象者という枠を超えた、人間としての約束でした。

略歴 - Profile

1967
宮城県仙台市生まれ。
法政大学卒業後、番組制作会社を経てジャーナリズムの世界へ。
1996
映像通信会社「インデペンデント・プレス(Independent Press)」を設立。
世界各地の紛争地、貧困地域へ赴き、子どもたちの視点から戦争を伝え続ける。
Belief
敬虔なクリスチャンであり、その取材姿勢は深い人道主義に裏打ちされていた。
「悲惨さ」を伝えることよりも、「困難の中でも生きる希望」を見出すことに情熱を注いだ。